財産評価通達6項。国税側の「伝家の宝刀」といわれる規定です。
「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。」
不動産は通常、路線価評価などで相続税計算上の財産評価をするのですが、著しく不適当なら適正な違う方法で評価するよ、という意味合いです。
不適当と認められるかどうかの基準に答えはありません。あくまで個別事情によります。
この件で、令和4年4月19日に最高裁判決が出ました。
新聞報道等でも大きく扱われ、関心の高さがうかがわれました。
一定の基準が示されることを期待していた方も多かったと思いますが、「租税負担の公平に反するというべき事情がある場合」には、国税側は不動産鑑定評価などによる時価で課税処分していいよ、という内容でした。
この判決により、不動産購入の際に過度な節税だと指摘されるリスクは増えたように思いますが、特に基準が示されたわけではありません。
個人的には、購入時の年齢、購入から相続発生までの期間、借入金の有無、不動産投資としての妥当性、節税の意図、評価額の乖離度合い、相続発生後の売却の有無などを加味する必要があると考えております。
正直、感覚的な部分もあって、そんなこと言われても・・・という感じですよね。
ひとつ言えるのは、慎重に検討した方がいいということですね。
税理士 上田純也
コメント